タグラグビー,レフリーの立ち位置,自分の立ち位置

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今年度,第11回を迎えるサントリーカップ全国小学生タグラグビー選手権大会。
第1回から携わってきたが,子どもたちのスキルは著しく向上してきた。
それに比してレフリングスキルはどうだろうか?
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子どもたちの懸命のプレーに,自らを律し,向上するために努力や研究を怠らない向き合っている方がいる反面,そうでない方も見聞きする。
これまでは,その「指針」が示されていなかったため,その振れ方に幅があったのは仕方ないかもしれないが,今年度,普及・タグラグビー現場だけでなく,審判委員会の監修を経て提示された「サントリーカップレフリング指針」が完成したことは大きな前進であると言える。
この26枚に渡るスライドをしっかりと読み込んだレフリーが,選手のプレーに正面から応えるレフリングをしてくれることを切に望む。
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この資料は,各都道府県タグラグビー担当者をはじめとする方々にメールやCD-Rで広く配信された。
必要な方にいきわたっていないとすればラグビー界が克服できていない情報伝達のまずさからくるもの。
これについては,残念ながらあまり期待できない(笑)
情報がどこかで止まってしまう。よくあること。残念だけど。

普及担当者に散見されるが,オフィシャルに決まったことと自分の考えが混同され,勝手な解釈を押し込むことで間違った結論のもとに物事が進行するという事例によく出くわす。
そもそもレフリーとしての資質や眼力をもたない人がレフリーを語ったりするからややこしい。
それは簡単にはなくならないのだが,これ以上,残念な思いをしたくないという気持ちは,誰よりも強くもっている。
上手いとか下手ではない,ラグビーやタグラグビーに対する冒涜への嫌悪感。
歪んだ観点から競技を汚して欲しくないという率直な気持ちから。
トップのプレーヤーには,トップのレフリーを。
それは当然のこと。
裾野を形成するプレーヤにもトップのレフリーを。
トップのレフリングスキルがなくてもトップの気持ち,心意気で向き合いたい。
また,常に謙虚な姿勢でプレーヤーに向き合っていたい。

残念なことがあったからそれを是正するために挑んだこの夏のレフリング研修会。
レフリーは絶対じゃない。
ただし,向き合っているレフリーは絶対だと強く思う。

その時の気持ちを晴らすのに1年かけて準備してきた。
ここは譲れないところ。
絶対に己に勝つ。
ラグビーを歪めた事実を許すわけにはいかない。
表面だけの薄っぺらい議論は封殺することをもって自分の想いは成就する。
ただ淡々と前に進むのみ。
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以下は,レフリング研修会のレポート。
関西タグラグビー部門長としての見解。
これ以上も以下もない。
思い返すために再掲する。

関西タグラグビーレフリー研修会
サントリーカップ全国小学生タグラグビー選手権大会レフリングガイド伝達研修
実施報告書

さる2014年8月3日(日),滋賀県大津市において,今年度新たに作成・周知された「サントリーカップ全国小学生タグラグビー選手権大会レフリングガイド」((公財)日本ラグビーフットボール協会普及・競技力向上委員会普及育成部門発行・同審判委員会監修,以下,「レフリングガイド」という)の伝達研修会を開催しました。サントリーカップでレフリーを務めるかたや関係者に正しく伝達することをもって,安全で魅力的なタグラグビーの展開を図るとともに,一定の規則や基準に基づいた的確なレフリングを行うことが出来る者の育成を目指すことを目的として企画した初めての取り組みです。
サントリーカップ全国小学生タグラグビー選手権が,今年度第11回を迎えるにあたり,選手権大会としての円滑な運営には,このようなレフリング指針が不可欠であるとの考えのもと,昨年度末,全国47都道府県の普及・タグ担当者に御協力いただいたアンケート結果からも,大会前のレフリー研修が十分に実施出来ていないことや指針の制定,研修会の開催を強く望む声があったことを受け,関西協会タグラグビー部門として,府県予選が始まる前に関係者に正しく伝達し,一定数の参加を見込むにはこの時期しかないとの判断のもと,夏休み真っ最中のこの時期に開催することとしました。
会場は,東海・北陸・近畿・中国・四国の5ブロックを管轄する関西協会として,より多くの方にご参加いただけるように地理的条件や交通アクセスを考慮し,交通費は自己負担,かつ開催予算が受講者の参加費に頼らざるを得ない中ではありましたが,多くの方々の熱意に支えられての開催となりました,なかでも,関西協会タグ部門委員でもある小松且也さんには,会場を借用するにあたり,所属校と調整いただくなどたいへんお世話になり,同校教頭先生も趣旨をよくご理解いただき,快く応じてくださいました。加えて,研修会当日もレフリング実技補助としてタグラグビーをプレーしてくれた同校タグラグビークラブの小学生の皆さんやたくさんの保護者の方々にもご協力いただきました。開催にあたり,多大なご支援をいただきましたことについて深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
当初の想定では,近畿を中心に20名前後の受講者があれば…と考えておりましたが,関西5ブロックのすべてから,かつ22府県のうち14府県から受講いただきましたことは,皆さまの関心の高さの表れであるとともにタグラグビーレフリーへの想いの熱さを感じずにはおれませんでした。遠路はるばるお越しいただき,休憩も十分ではないようなハードなスケジュール,昼食時間も食事を摂りながら研修を継続するといった強行軍でしたが,予定した内容を多くの受講者の方々と共有出来ましたことを本当に嬉しく思います。
研修会は,大きく講義と実技に分けて行いました。
まず,サントリーカップのレフリーを実践していくうえで,サントリーカップの現状について,都道府県担当者のアンケート結果等から伝達させていただきました。
大方の予想では,右肩上がりであろうと思われていた参加者数が,昨年度の節目とも言うべき第10回大会で2割近い大幅な減少を招いたという事実や選手権大会として実施していく上での諸課題と改善策の数々,レフリング指針策定もその中のひとつであるということを受講者にお伝えしたうえで,この研修会は,あくまでも「サントリーカップのためのレフリー研修」であることを強調し,大会前のレフリー研修の実施は6割弱(都道府県アンケートより)に留まり,かつその内容も十分なものであったかどうか甚だ疑問である現状の中から,この研修会を開催するに至ったという経過を報告させていただくことで,この度のレフリー研修会の位置づけを明確にしました。
「レフリー研修会」ではありますが,サントリーカップのこれまでとこれからを理解し,イメージすることはそこに関わる上で不可避な要素であると思います。子どもたちの懸命のプレーに笑顔で溌剌とレフリングし, レフリーがプレーヤーをリスペクトし、プレーヤーからリスペクトされるレフリーを目指していく。研修会に集った「仲間」とともにタグラグビーのレフリーに向き合うことで,レフリーの側から「タグラグビーの文化」を創造し,発信していくことを提案させていただき,講義①「サントリーカップの現状とレフリー研修会のねらいについて」を終えました。
引き続き,講義②「サントリーカップ全国小学生タグラグビー選手権大会レフリングガイド」について,関東からお招きした森健さんからご講義いただきました。
フルラグビーにおける豊富なレフリーのご経験からはもちろんのこと,サントリーカップの第1回大会から欠かすことなく決勝大会でレフリーを務められ,また,昨年度の第10回大会は審判委員長として,さらには,今回の「レフリング指針」策定には,原案作成から完成に至るまで,日本協会審判委員会との調整も含め中心的役割を担っていただいたことから,その豊富な経験とレフリー観に裏打ちされた講義は,たいへん説得力のあるもので,受講者の理解も深まったことと思います。ご多忙の折,遠路,滋賀県まで足をお運びいただき,ご講義いただきましたことに深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
大方の受講者は,タグラグビーのルールを伝達するような研修を思い描いていたのではないでしょうか?受講者の半数近くがレフリー資格を所持していないこともあり,「ラグビーのレフリー」としての立ち位置や「ラグビー憲章」のお話しに時間を費やしていただくことが,この研修会のもうひとつのねらいでもありました。ラグビーのレフリーやプレーヤーでない方々にもレフリーの立場からラグビーの文化を学ぶ機会になったのではないでしょうか?
冒頭に,「レフリーの役割は、タグラグビーの魅力を引き出すこと」であり,お互いにフェアな条件のもと,身体接触がないことで保障されるダイナミックなプレーを引き出すために存在する。それゆえ,接触を許すことなく,それを誘発するような行為は,タグラグビーの破壊行為として整理せねばならない。タグラグビーのゲーム特性を理解した上でのレフリーの立ち位置について明快にご説明いただきました。
また,プレーの継続を支援する方策として,オフサイドとオーバーステップについての共通理解を促し,攻撃側(この指針で定義されている「ボール保持者」またはそのチーム※本則とは異なる)は,「ミスがない限り4回攻撃する権利を持つ」こと,防御側は、「オンサイドの位置からタグを取ることが防御の唯一の手段である」こと。タグ後、防御側は、「自陣ゴール側に戻って相手に攻撃させる義務が生じる」こと。これに反する行為が「オフサイド」であるとし,防御側は「4回タグを取ること」で、攻撃権を得る。攻撃側がタグ後にできるのは、「地域的に前進せずにパスをすること」。これに反するのが「オーバーステップ」として説明された。この「攻撃側」と「防御側」のそれぞれに生じる「タグ」後の「権利」と「義務」の考え方は,プレーの継続という視点で捉えることでより明確にプレーヤーや観戦される方々にも伝わり,明快な説明であると感じました。
それらを理解した上で,実際のレフリングにあたっては,競技規則やタグラグビーのゲームの特性を理解し,フイットネス・服装・メリハリのある笛などの試合に臨むための準備をしっかりと行うこととし,試合中には,レフリーは,アシスタントレフリーとの連携のもとにチームオブスリーでより良いプレーを引き出すために存在し,結びの「レフリーは,ラグビー精神を発揮する行為を支援する」という言葉が印象に残りました。
その後,昼食の弁当をとりながら,「レフリング指針」に係る質疑応答を行いました。続いて,第10回決勝大会の動画を視聴しながらポイントとなるプレーについて,ディスカッションしました。さらに,第10回大会に関西協会派遣レフリーとして,岡山県から末弘健さん,愛媛県から井上哲男さんがご自身の体験を交えた感想を述べていただき,全国大会の雰囲気を味わいながらの「講義③サントリーカップ第10回決勝大会のふりかえり」となりました。
午後からは,体育館に会場を移し,実際のレフリングに係る実技研修を行いました。
この研修のために,小学生タグプレーヤーが33人も集まってくれていました。初めて顔をあわす関西各地域からお越しいただいた受講者,せっかくの機会でもあり,アイスブレイクを兼ねて,4対4のミニゲーム「クアトロタグラグビー」を企画しました。タグラグビーを身体を使って楽しもうとするもの,レフリーもやはりタグラグビーは楽しいゲームであることを体感することは,レフリングをするうえでとても大切なことです。
体育館に2面をとって,任意の子ども2人と大人2人がコンバインドした4人チームを作り,レフリーなしでわずか3分のゲームを次々に行っていきます。ルールもその場で決めて,ミスや反則も自身やチームでコントロールするゲームです。ゲーム開始を戸惑っていると,あっという間に3分間は過ぎてしまいます。ゲームをプレーしたければ,速やかにルールを決めねばなりません。そのような中から,自然とコミュニケーションが生まれます。そして,ゲーム後は,対戦した8人のタグ仲間同士で簡易のアフターマッチファンクションを行うようにしました。最初はよそよそしかったプレーヤーも徐々に白熱したゲームとなり,十分なウォーミングアップとなりました。
「クアトロタグラグビー」の狙いは,最初に述べたようにチームが固定しないので様々なプレーヤーとチームメイトになれること以外に,自ら考え行動する力を引き出すこともそのひとつです。レフリーがいないので,反則やミスを指摘し,危険なプレーを戒めるのも自らが行う必要が生じます。自ずとモラルの高いゲームとなり,ひいては,タグラグビーの特性でもあるダイナミックな溌剌としたプレーが引き出されていきます。
今回は,限られた時間でウォーミングアップの意味合いで行ったのですが,チームとしての勝利に20点,引き分け10点,負け0点,個人のトライに5点,アシストに3点,タグを1点などとして個人別点数を競うというゲームにも繋がる可能性があります。あえて競技志向の高い「サントリーカップ」の「レフリー研修」で,レフリー不在のタグラグビーをすることで,伝えたかったことがあります。そのことが少しでも受講者の皆さまに伝わればいいなと思いました。
その後は,一人数分という短い時間ではありましたが,小学生のゲームのレフリーとARを順々にこなしていただきました。ここでも,皆さん積極的にチャレンジされ,会場のあちらこちらで建設的な話としてふりかえる場面が見られるなど,さすが,お仕事やご家庭の用務を整理して,遠方からお越しいただいた方々,意欲的な姿勢に強い好感を持ちました。
受講された皆さまには,今後,サントリーカップの各府県予選レフリーの中心としてご活躍いただきますとともに,ぜひ,「レフリング指針」と「ラグビー精神」を正しく,広くご伝達いただく役割を担っていただきたく思います。
このタグラグビーレフリー研修会は,「終わる」ことをもって「始まる」ものです。
タグラグビーのレフリーは,サントリーカップのように一定の専門性をもった方々に関わっていただくものとタグラグビーフェスタなど誰もがレフリーに関わっていただけるように絶対数を増やしていく必要があるものという二面性を持っています。
レフリーの側からこの素晴らしい可能性を秘めた「タグラグビー」の良さを引き出す働きかけを継続して行い,「タグラグビー文化」の創造に寄与していただければと思います。
今後も,日本ラグビーフットボール協会の理念「WE ARE RUGBY FAMILY」の下に,タグラグビー・ラグビーがもつ魅力を共有し,ラグビーを愛する方々の支持を得ながらの普及活動を目指していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
結びに,本研修会開催にあたり,ご協力,ご支援いただきましたすべての皆さまに心から感謝を申し上げ,実施報告とさせていただきます。
ありがとうございました。

(文責)
 関西ラグビーフットボール協会 普及育成委員会タグラグビー部門 部門長 長手信行

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この記事へのコメント

  • 楕円球

    突然のコメント失礼いたします。

    トップのプレーヤーには,トップのレフリーを。
    プレーヤーに対しては常に謙虚な気持ちで向き合うこと。

    その言葉が胸に刺さります。
    こちらの記事から5年の月日が流れておりますが、今年のサントリーカップのブロック大会、勝てば全国大会出場が決まる大事な大事な試合で、とても残念な思いをしました。

    何とかならないものでしょうか?
    2020年02月05日 23:26

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